ギャグマンガ

ギャグマンガ  |

「さよなら絶望先生」は、指摘するまでもないことですが、「かってに改蔵」の久米田康治氏の作品です。ところが作風もそのままに帰ってきたのに、何と掲載誌が変わっていたという驚異の作品でもあります。改めてデジタル版を買うのは、あのコアなギャグを持ち歩きたい方だとお察しします。ただ、人混みで読むときは笑いすぎに注意しましょう。
 ストーリー漫画なら、盛り上がる予感があれば読者も我慢して読む回があっても許されます。2,3試合に1本でもホームランを打てばいいのです。しかし、1話読み切りのギャグ漫画には、ストーリー漫画にはない苦労があります。全ての回で平均以上の面白さが求められます。ホームランは求められなくとも、イチローのような打率、いや、ほぼ10割を要求されるのです。この第1巻は、まずは絶望先生と主な人物の登場に主眼が置かれますが、それも読者を満足させるギャグがちりばめられているのが見どころでしょう。この人物たちが少しずつ増えながら、毎話の中心になってゆく「アンパンマン型」の展開です。
 なにせ、「漫画」なのに、そのギャグの真骨頂部分がネーム外の文字部分に集約されていることが多い漫画ですが、これでよく300話も続いたものだ、と感心しながら読み返すでしょう。

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